黒木渚

チケット一般発売日:2月21日 CDご購入者は先行申込が可能

LIVE SCHEDULE
虎視眈々と淡々と
虎視眈々と淡々と

虎視眈々と淡々と
革命
はさみ
黒木渚とは
黒木渚は本名である。出身は宮崎県。宮崎県出身女性の特徴とされる、美人、負けん気、積極的、大らか、正直、といった要素をすべて満たす。日本舞踊の名取りだった祖母の影響で、ステージに対する憧れを抱いていた幼少期を経て、中高時代は厳格な寮制学校に通う。世の中の情報からシャットアウトされていた環境の中で読書、絵画などを通して自己表現に目覚めていく。
卒業後、福岡の大学へ。軽音部に加入し、作詞作曲を始め、自らの名前を掲げたバンド“黒木渚”を結成する。文学や演劇への道も考えられたが、“自分の中の衝動を表すには音楽が最速だった”という理由で音楽活動を選択。2012年12月にデビューシングル「あたしの心臓あげる」をリリース。iTunesが選ぶブレイクが期待できるアーティスト『ニューアーティスト2013』にも選出され、その名をじわじわと全国へ広めていく。

そして、2013年3月にリリースした1stミニアルバム『黒キ渚』の衝撃が、バンドの評価を決定づける。血まみれのミュージック・ビデオが音楽ファンの度肝を抜いた「あたしの心臓あげる」をはじめ、女性の心理と生理を極めて生々しく表現しながら、文学的、演劇的なたたずまいのロックミュージックへ昇華させるスタイルがここに確立。

しかし同年12月19日、突如バンド解散を宣言。『COUNTDOWN JAPAN 13/14』出演をもってバンド・黒木渚は解散し、ソロアーティスト・黒木渚の新章が始まった。

2014年4月に1stフルアルバム『標本箱』をリリース。サウンドプロデューサーに松岡モトキ、ミュージシャンに柏倉隆史、中尾憲太郎、MASEEETAら錚々たるメンバーを迎え、サウンドはよりカラフルでダイナミックに。“11曲で11人の女を描く”というコンセプトのもと、作家としての表現力はより幅広く繊細に。ソロとしてのスタイルを確立すると、5大都市ワンマンツアーを経て、6月1日に渋谷公会堂で行われたツアーファイナル公演を成功させた。

音楽、文学、デザインの領域に大きく翼を広げ、急速に成長を続ける孤高のアーティスト。
虎視眈々と淡々と

リリース情報

【初回限定盤】LASCD-0057 / ¥2,300+税

※鹿の木製オブジェ付き(ジュエリーツリー)

【通常盤】LASCD-0058 / ¥1,200+税

CD購入者対象の黒木渚書き下ろし小説特設サイトへのQRコード付き。
限定盤シングルでは小説世界の鍵になる「壁の鹿」の存在を、デザインチーム「POWER PLACE」とのコラボレーションで、鹿の木製オブジェ(ジュエリーツリー)として具現化させた。
体ひとつ、女ひとり。

イントロなし、いきなり歌いだされる歌声のかつてない力強さに圧倒されてしまえば、あとはラストまで全力疾走。松岡モトキのアレンジは全体的にポップで明るい質感だが、のめりこんで聴いてみれば柏倉隆史と沖山優司の叩きだすリズム、“世の中が狂っている様子を表したかった”という狂騒的なストリングスの音色は、壮絶のひとこと。その中にあって臆さず激さず、“信じることなど止めてしまえよ/半端に傷つくぐらいなら”と歌い放つ黒木渚の立ち姿は、本当に美しい。

『標本箱』収録の「革命」を受け継ぐ、現在の黒木渚の内面をさらけだした決意表明ソングだ。カップリング「ピカソ」は童謡風の可愛らしい曲調で、「ようこそ世界へ」は生まれ来る子供たちへ贈るメッセージソング。これまでにない暖かさ、優しさをたたえたアプローチが新境地を拓く。そして穏やかなアコースティック調の「大本命」で歌われる、これからも戦っていくという意志表明。

黒木渚という生き方を明確に写し取る、強い意志に貫かれたニューシングルだ。

ツアー情報

開場 16:30 開演 17:00 前売り¥3,800-
(問)GIP : 022-222-9999
開場 16:00 開演 17:00 前売り¥5,000-
(問)DISK GARAGE : 050-5533-0888
(平日12:00~19:00)
開場 16:30 開演 17:00 前売り¥3,800-
(問)サウンドクリエーター : 06-6357-4400
(平日12:00~19:00)
開場 16:30 開演 17:00 前売り¥3,800-
(問)サンデーフォーク:052-320-9100
(10:00~18:00)
開場 16:30 開演 17:00 前売り¥3,800-
(問)BEA:092-712-4221
(平日10:00~18:00)

 今あなたの目の前にあるのは、鹿の頭をかたどった木製のオブジェと、『壁の鹿』と題された連続短編小説、そして新曲の「虎視眈々と淡々と」。昨年6月に渋谷公会堂でのライブを終えてから半年の間、黒木渚が心血を注いで取り組んできた、これが新しいプロジェクトだ。三つのアイテムが連動して作り出す、果てしなくアーティスティックな欲望と、体ひとつ女ひとりの生きざまを映した鮮烈なメッセージ。そのめくるめく乱反射の中で、黒木渚の次のステージがいよいよ幕を開ける。
「もともと文学の研究をしていて、絵も描いていたし、私にできるとすればこの三つだなと思っていたので。音楽、小説、デザインと、それぞれが密接に関わりあいながら同時進行していきました。それぞれのエリアに協力してくれる専門家がいるんですけど、すべての関わりを知っているのは私だけで、全体をコントロールしていくのは大変でしたけど、その相互作用がすごく面白かった。たとえば先に曲があって、そこから何を小説の中に潜ませてやろうか?とか。思いついたネタを、これは小説のほうがいい、歌のほうがいいって、うまくいきそうなものに振り分けることもできたので。今までは、何でもかんでも歌にすることを前提で世界を見ていたので、それは新しいやり方でしたね」
 中でも新曲「虎視眈々と淡々と」が孕む熱量と、強烈な意志の力は本物だ。それは開放的な曲調やスピード感を含め、昨年のアルバム『標本箱』の冒頭を飾り、黒木渚の新章開幕のテーマ曲となった「革命」を下敷きに、さらに一歩を進めた決意表明に他ならない。
「「革命」が選手宣誓だったとすれば、実際に競技をスタートさせなきゃいけないと思ってたんですよ。いつまでも“やるぞ、やるぞ”と言ってるだけじゃ駄目で、言った以上は走り出さなきゃいけない。「革命」は自分でも好きな曲だし、いろんな人がいい曲だと言ってくれるけど、今の自分自身を書いて「革命」を超えること。それが「虎視眈々と淡々と」のテーマです」
 音楽的には、松岡モトキのアレンジのもと、柏倉隆史と沖山優司という強力リズム隊が叩きだす鬼気迫るグルーヴと、うねりながら疾走する狂気的なストリングスが聴きどころ。その分厚いサウンドを突き抜けて、一度聴いただけで耳について離れないフレーズがいくつもある。たとえば、“嘘をついてついてついてつきまくれ/染まらない何かが本物だ”。周りからのどんな評価も委細構わず、犠牲もいとわず、まっすぐに全速前進してきた黒木渚が、あえて逆説的な表現を使い、本当にえぐりだしたかったものは一体何か。
「根本的な私の性格はずっと変わらないまま大人になったと思っていて、まっすぐ生きて何が悪いのよという気持ちは今も変わらないです。ただ、私が思っているまっすぐだとか本物だとか信念だとか、具体的に説明しづらいんですよ。抽象的なものなので。それをどうやってはっきり見つけるか?というと、消去法でしかない。だから嘘をついてついてつきまくって、不純物を取り除いた後に、その嘘に染まらなかった一番強いものを見つけだして、それだけは絶対に手放さないでいたい、ということですね」

そして、“信じる事など止めてしまえよ/半端に傷つくぐらいなら”。バンドとしてデビューし、ソロへと転身する中で、いくつもの紆余曲折を経てきた黒木渚の放つ言葉だからこそ、軽やかなメロディに乗りながらもその手応えはずしりと重い。
「デタラメばかりのこの世の中で、何を言ってもわからない人や、ひねくれて受け取る人に対して、“じゃあもうやめれば? 好きなようにすればいいじゃん”ということですね。それは自分自身に対して言ってることでもあって、中途半端に信じて、傷ついて、恨みの気持ちを意味なく積みあげてるぐらいだったら、誰も信じずに孤高の存在として生きるべきだと思うので。私は私のまま強く生きてやるという意志を込めた“虎視眈々”と、そういう情熱を持ちつつもクールに見られたいという“淡々”とが同時に存在してるのが、すごく私らしい曲だと思います」
 さらに、カップリングにも新たな試みを盛りこんだ曲が揃った。「ピカソ」は、昨年の“金髪時代”(現在は黒髪)にやたらと子供たちになつかれたという体験から生まれた、一見「みんなのうた」風の可愛らしい曲。が、実は大人が本気で音楽で遊ぶとこんなに楽しいんだぞという思いを込めた、楽しくも複雑精緻な曲だ。「ようこそ世界へ」は、もうすぐ子供が生まれるファンとの交流がきっかけでできた曲で、本人いわく“黒木渚版「こんにちは赤ちゃん」”。子守歌にはハードすぎるロック・チューンだが、全体を貫くのはあくまで優しく暖かい感情だ。そしてもう1曲「大本命」は、フォーキーな感触の穏やかなアコースティック・チューンだが、メッセージ的には「虎視眈々と淡々と」と対をなす、まっすぐ生きて何が悪いのよスピリットを強く表明する曲になった。
「「大本命」は夏フェスの間に出来た曲です。フェスに来る人はすべてが音楽好きなので、そこで黒木渚のステージを選んでくれた人には、心を奪って帰るのが礼儀だと思っているので。毎回“30分でいいから私をあなたの本命にしてください”と言ってライブをスタートさせていた、その時の気持ちを歌詞にしました。自分のことを“浅き夢見し馬鹿者”と歌っているのは、自分自身でも、教師の道も公務員も辞めてこんなにめちゃくちゃなことをしてる人生に対して、馬鹿じゃないの?って思ってる節がちょっとあるから。世の中の人も、私の中の誰かもそう言ってるけど、それでもあなたにとっての大本命になりたくて、土砂降りの世界に飛び出し続けていく。これが私の今の気持ちです」

 そしてもうひとつ、今回のプロジェクトの中核をなす連続短編小説。『壁の鹿』は黒木渚の処女作であり、アーティストとしての幅を広げる野心的な挑戦になる。その元になったものは、ずっと昔から彼女の創作ノートの中にあったひとつのイメージだった。
「自分の趣味の世界で、元ネタを書きためていたんですよ。それが“生命を持たないものが会話する”というもので、CDリリースと一緒に小説を出すという話になった時に、それを元に書こうと思ったんです。しゃべるのは何でも良かったんですけど、はく製という、生き物と死んだものとの中間にいるような存在がしゃべるということが、面白そうだなと思ったので。でも一番大切なのは、ファンタジーを描きたいわけじゃなく、はく製がしゃべることで一体何が変わったのか?ということ。主人公とのやりとりの中で何が起きるのか?が大事なので、一話ごとにそれぞれ違う出来事が起きるんです。主人公も違うし、鹿にも個性がある。いろんなストーリーを楽しんでもらえると思います」
 すべてが初めてゆえ、自分なりの文体、語彙、表現方法について悩む時期も長かったというが、小説を書くことで生まれた新たな展開もあった。それが限定盤CDに付属する木製の鹿のオブジェ。ジュエリーツリーとして使えるこの作品は、鹿のはく製のイメージを、デザイナーとのコラボレーションで立体化している。
「ファンタジーだからいいんですけど、ちょっと無理のある設定じゃないですか。しゃべらないものがしゃべるという物語を、人に読んでもらう時に、“実際にこの鹿が目の前にあったらもっとわかりやすいのに”というところから、オブジェを作ろうと思ったんです。」
 さらに、はく製見学のために日光や宇都宮の専門家の工場を訪ねるなど、入念な下準備を重ねて出来上がったオブジェと小説。音楽も含め、半年間に及ぶ長く濃密な制作期間を“脳味噌を切り売りした気分”と振り返るが、その表情はもちろん笑顔だ。
「結局、作ることがめっちゃ楽しいという、それだけでやってるので。逃げ場も、作るところにしかないんですよ。つらいからもう何も作りたくない、とかじゃなくて、私にとって苦しい時や嫌な時は、理想のものが作れない時なので。作ることでしか解決できないし、逃げ場がない。もうズブズブです」
目標は決まった。あとは走るだけだ。1月21日のシングル・リリース、WEBでの小説発表を皮切りに、3月からは全国5か所を回る春のワンマンツアーも決定した。その後も、様々なプランの発表が続々準備されていると聞く。もっと速く、もっと高く、もっと遠くへ。黒木渚の勝負イヤー、2015年が今始まった。
「ちゃんと見てないと、面白いことが多すぎてついていけなくなっちゃう。お客さんが一瞬でも目を離すと置いていかれちゃうぐらいの、お騒がせ感でやりたいですね。ずるいよ!って言わせるぐらいに、ひたすら走りまくりたいと思ってます」

DISCO

1st full album 『標本箱』
2014.4.2 RELEASE LACD-0247

ソロとして再スタートを切り、プロデューサーに松岡モトキを迎えてよりカラフルに、ダイナミックに変貌を遂げた1stフルアルバム。“11曲で11人の女を描く”というコンセプト作で、進軍のトランペットが高らかに鳴り響く1曲目「革命」は、自らをジャンヌ・ダルクにたとえ、信じた道を走りぬく覚悟を歌う決意表明だ。恋愛のもつれの果てに死んだ幽霊が主人公の「ウェット」、永遠の子役シャーリー・テンプルをモチーフにしたという「あしながおじさん」、恋する処女の妄想を映す「窓」など、入りやすくストーリー性が高い曲が並ぶが、どの曲にも黒木渚としての強いメッセージが込められているので、後味はずしりと重い。軽やかなピアノ・ポップ「金魚姫」、ドラマティックなバラード「はさみ」、胡弓のもの悲しい音色が印象的な「あしかせ」など、サウンドの変化に合わせて歌の表現力も一気に多彩になった。

1st mini album 『黒キ渚』
2013.3.20 RELEASE LACD-0237

バンド編成の黒木渚が残した唯一のミニアルバムは、根岸孝旨プロデュース作品を中心とする、極めて刺激的で中毒性の高い劇的ロック集。ノイジーなギターと叙情的メロディがぶつかりあう「あたしの心臓あげる」、會田茂一プロデュースでポップな明るさを持つ「骨」、静謐なピアノバラード「砂金」など、アンダーグラウンド色が濃い中にも様々な要素が投げ込まれ、粗削りな魅力を放つ。渦巻く音の真ん中にすっくと立ち、劇的なドラマに満ちた歌詞を凛々と歌い上げる黒木渚の存在感は、この時点ですでに圧倒的だ。“最高な日も最低な日も私のところに会いに来て”(「カルデラ」)という歌詞に、それまでの内省的な世界観から観客を巻き込む外交的な世界への転換がすでに予感されている。斉藤祐樹(髭)、田淵ひさ子(bloodthirsty butchers,LAMA,toddle)がギターで参加。