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LIVE DVD

『「TOUR 虎視眈々と淡々と」東京グローブ座 2015』

RELEASE LADV-0008

『「TOUR 虎視眈々と淡々と」東京グローブ座 2015』

ひとりの女の生き方を鮮烈に生き切った、劇的な120分

 ここにあるのは、2015年4月11日、黒木渚「TOUR虎視眈々と淡々と」、東京グローブ座の記録。「今年は止まらずに走り抜ける」と年頭に宣言した、2015年の最初のクライマックスと言える一夜を、完全収録したライブ映像だ。当初はオフィシャル通販限定リリースだったこの映像が、このたび、広く一般リリースされることの意味は大きい。なぜなら、猛烈なスピードで成長を続ける黒木渚の辞書に、「くりかえす」という言葉はないから。その前年の「革命がえし」ツアーとも、一番新しい「自由律」ツアーとも異なる、あの時にしか存在しない黒木渚。ギラついた、アグレッシヴなパフォーマンスと、朗読を交えた、知的で劇的なアプローチ。その後の彼女のライブの、ひな型になったと言える貴重な記録。今見ても、何度見ても、刺激的な120分だ。

 見どころは、いくつもある。当時執筆中だった小説「壁の鹿」の設定どおり、ステージ上方に飾られた鹿の頭のオブジェがしゃべりだす、演劇的なオープニング。ギター井手上誠、ベース根岸孝旨、ドラムにマシータ、キーボード多畠幸良と、鉄壁のバンドと共に激情を叩きつける「マトリョーシカ」。歌詞の世界観につながる朗読を冒頭に置くことで、「こういう歌だったのか」と、何度も聴いた名曲が新しい曲のように響いた「あたしの心臓あげる」。リコーダーをバトン代わりに回しながら歌う、キュートな「ピカソ」。バリエーション豊かな楽曲の魅力はもちろん、時に朗らかに時に妖しく、くるくる変わる黒木渚の表情と、170cmの長身と細い肢体の、なんとステージ映えすることか。

 後半のハイライトは、これも朗読を冒頭に置いた「はさみ」から「骨」へ、黒木渚を代表する名曲二連発。そして「まっすぐ生きて何が悪い!」という絶叫と共に、満面の笑顔で歌われた「虎視眈々と淡々と」。さらに“好き、嫌い、生きる、死ぬ”と、サビのコーラスでコール&レスポンスが繰り広げられる「フラフープ」。そんなテーマをひたすら明るく、会場全体で合唱するライブがほかのどこにあるだろう。どうせいつか死ぬ。だからまっすぐ生きよう。笑顔ではっきりとそう言ってくれるミュージシャンが、ほかに何人いるだろう。アンコールのラスト「革命」まで全18曲、ひとりの女の生き方を鮮烈に生き切った、圧巻のライブ・ショー。

 正確に言うと、「革命」のあとにもプロローグの朗読があり、深い余韻を残してライブは終わる。こうした構成はのちの「自由律」ツアーにはなく、この時だけのものだ。ちなみに言うと、このツアーのハイライトだった「あたしの心臓あげる」も「はさみ」も、「自由律」ツアーではやっていない。それに取って代われるほど、新しく力強い曲がすでに生まれているからだ。こうしている間にも、黒木渚はまっすぐに前を向いて走り続けている。新曲のリリースも、続々と決まっている。そんな、今に至る疾走のスタートダッシュの時期を、見事にとらえたドキュメンタリー。この「TOUR虎視眈々と淡々と」の記録映像は、これからさらに価値を増していくはずだ。

「TOUR 虎視眈々と淡々と」東京グローブ座 2015
発売日:2015年7月1日(オフィシャル通販)、2016年4月6日(一般発売)
収録時間:約120分(全18曲)
価格:¥5300(税込)

  • 1:マトリョーシカ
  • 2:金魚姫
  • 3:ようこそ世界へ
  • 4:クマリ
  • 5:エスパー
  • 6:あたしの心臓あげる
  • 7:プラナリア
  • 8:ピカソ
  • 9:窓
  • 10:大本命
  • 11:砂金
  • 12:はさみ
  • 13:骨
  • 14:虎視眈々と淡々と
  • 15:フラフープ
  • 16:テーマ
  • 17:君が私をダメにする
  • 18:革命
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